イッツ・オンリー・トーク
2006年6月6日 読書
ISBN:4167714019 文庫 絲山 秋子 文藝春秋 2006/05 ¥410
絲山秋子は良い評判を耳にすることの多い作家さんで、
ホームページをみたり、雑誌の対談等で目にしたり、
気になっていましたが、本は読んだことがなかった。
ハードカバーの本しか出ていなかったからだ。
図書館に通う習慣のないわたしにとって、
ハードカバーの本を読む=買うということになりますが、
未読の作家さんのハードカバー本を買うのはなかなか勇気のいることなのであります。
でもついに文庫本が出たので買いました。
主人公はうつ病を患う、おそらく30歳前後と思われる女性。
職業は絵描きで、何年か前に賞を取って絵も売れていたが、
今はOL時代にしこたま貯めた金でのらりくらりと暮らす日々。
EDの議員や元ヒモで居候の40がらみのいとこ、
前科5犯・うつ病のやくざに合意の上で痴漢プレイを楽しむ設計士、
などなど少しゆがんだ男たちとの出会いと別れについての話で、
筋書きという筋書きはなく、
それぞれの男に対し何を求めて何を求めないのか、
どう関わってどう別れていったのか、
淡々と主人公と男達の関係性を綴った物語でした。
作者の描く主人公のスタンスには、共感を覚えます。
例えば、男たちに同情するでなく哀れむでなく、
相手のいびつな心のありようをさらりと受け入れ、
かといって他人の生きる道・暮らしぶりのじゃまをしないような
距離のとり方。
例えば、何かというとすぐに男と寝てしまうくせして
女としての自我の薄いところ。
年をきかれたとき、
「二十ウン歳です☆」とか
「レディに年なんて聞くものじゃないわよ!!」
なんてことは絶対言わなさそうな、
かといって自分の中の女を貶めるような自虐的なところもなさそうな、
そういう感じ?(わかりにくい)
そして一番信用できるのは、
自分が深く傷ついて、苦しく思っている部分を、
誰にもどうにかしてもらおうと思っていないところ。
という感じで、かなり人として好きになれる主人公だと思った。
だけど、あれだけ個性の強い人物が大勢出てくるのに、
どの人たちもインパクトが薄くて、感情も薄くて、
なんとなーく、食い足りない感じが残るなぁ…
同時収録されている話のほうが好きかな。
でも、これから他の本も読みたいな。
文庫が出たら、また買います!!!
絲山秋子は良い評判を耳にすることの多い作家さんで、
ホームページをみたり、雑誌の対談等で目にしたり、
気になっていましたが、本は読んだことがなかった。
ハードカバーの本しか出ていなかったからだ。
図書館に通う習慣のないわたしにとって、
ハードカバーの本を読む=買うということになりますが、
未読の作家さんのハードカバー本を買うのはなかなか勇気のいることなのであります。
でもついに文庫本が出たので買いました。
主人公はうつ病を患う、おそらく30歳前後と思われる女性。
職業は絵描きで、何年か前に賞を取って絵も売れていたが、
今はOL時代にしこたま貯めた金でのらりくらりと暮らす日々。
EDの議員や元ヒモで居候の40がらみのいとこ、
前科5犯・うつ病のやくざに合意の上で痴漢プレイを楽しむ設計士、
などなど少しゆがんだ男たちとの出会いと別れについての話で、
筋書きという筋書きはなく、
それぞれの男に対し何を求めて何を求めないのか、
どう関わってどう別れていったのか、
淡々と主人公と男達の関係性を綴った物語でした。
作者の描く主人公のスタンスには、共感を覚えます。
例えば、男たちに同情するでなく哀れむでなく、
相手のいびつな心のありようをさらりと受け入れ、
かといって他人の生きる道・暮らしぶりのじゃまをしないような
距離のとり方。
例えば、何かというとすぐに男と寝てしまうくせして
女としての自我の薄いところ。
年をきかれたとき、
「二十ウン歳です☆」とか
「レディに年なんて聞くものじゃないわよ!!」
なんてことは絶対言わなさそうな、
かといって自分の中の女を貶めるような自虐的なところもなさそうな、
そういう感じ?(わかりにくい)
そして一番信用できるのは、
自分が深く傷ついて、苦しく思っている部分を、
誰にもどうにかしてもらおうと思っていないところ。
という感じで、かなり人として好きになれる主人公だと思った。
だけど、あれだけ個性の強い人物が大勢出てくるのに、
どの人たちもインパクトが薄くて、感情も薄くて、
なんとなーく、食い足りない感じが残るなぁ…
同時収録されている話のほうが好きかな。
でも、これから他の本も読みたいな。
文庫が出たら、また買います!!!
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